正平調

時計2021/04/08

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「うた燦燦(さんさん)」(道浦母都子著)から詩人堀口大学の一首を。〈ああ四月西の国には薔薇さく日東の国にさくらにほ日〉。いや、東の国には、「璃花子(りかこ)」という名の花も見事に咲いた◆白血病からの復活を目指す競泳の池江璃花子さんである。日本選手権のバタフライを制し、東京五輪の切符を手にしたのはご承知の通り。今日は100メートル自由形の決勝だ。手の切符は2枚になるかもしれない◆バタフライ決勝のプールに入るときに「ただいま」とつぶやき、勝つと水の中でむせび泣いた。そして「努力は必ず報われるんだな」。言葉の一つ一つにつらかった日々が重ね焼きされているようで、心に響いた◆プールに戻って、まだ1年である。細くなった体を見て「マッチ棒のようだ」とコーチは驚いたそうだ。競泳選手らしい体つきが少しよみがえったかと思ったら、もう五輪切符。すごいとしか言いようがない◆「うた燦燦」からもう一首、松平盟子(めいこ)さんの〈終着駅されどここより始発する一輌(りょう)編成凛然(りんぜん)とせよ〉。どこかの駅に着いて旅は終わりではない。そこから次の旅が始まる◆この歌を池江さんへ贈ろう。心の桜は「七分か八分(咲き)」で、メダルをとって満開と言った。新たな旅でも、りりしく咲いてほしい、東の国の花。2021・4・8

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