正平調

時計2021/04/24

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終戦直後、進駐軍の車を見た。イラストレーター、山藤章二さんの幼少の頃の記憶である。「ガソリンの排気ガスが、これまた嗅いだことのない良い匂いで、胸いっぱい吸い込んだ」◆あれは「アメリカの匂い」だったとエッセーに書いている。山藤さんだけではない。国語学者、大野晋さんの回想談にもある。「フォードのトラックの排気ガスを『いい匂いだ』なんて嗅いで育った世代」だと◆ガソリン車の吐き出す煙から文明の香りがし、超大国への憧れを振りまいた時代が確かにあった。2021年の現在、排ガスを好きこのんで吸う人などいない。地球にしたって「もうたくさん」と言いたかろう◆地球温暖化をもたらす温室効果ガスの排出を30年度に46%減らす(13年度比)との国際公約を、日本政府が表明した。欧米に比べて見劣りしていた目標値がぐんと引き上がり、産業界からははや悲鳴が聞こえる◆自動車メーカーであれば「脱ガソリン」のアクセルをさらに踏み込まねばならない。登るにたやすい道ではないが、創意と工夫で戦後の荒野を切り開いてきた技術大国の復権をかけ、頂を狙っていい分野だろう◆電気自動車。水素エンジン。クリーンエネルギー。「ニッポンの香りだね」といつか言われる未来を夢見る。2021・4・24

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