正平調

時計2021/05/03

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ある月刊誌が「夢の憲法前文をつくろう」と呼びかけた。いまから20年ほど前である。集まった投稿が「私たちが書く憲法前文」(編・監修、大塚英志)という本にまとめられている◆平和を誓う言葉あれば、美しい国土を誇る文章あり、禁煙社会を訴えるものもあった。人それぞれに描く国の未来図はどれも趣深かったが、あらためて読み直してみて、当時の高校1年生の前文が目にとまった◆「我々は、三食の飯を食べ、娯楽を楽しむ。夢を追いかけ、社会に出る。こんな平凡な日々を送れるならば、それだけで満足だ」。そういう国になってほしい、そのためならば協力したいと、文は結ばれている◆お名前から女子生徒と察せられた作者も、30代半ばを越えたはずである。平凡な日常からはほど遠くなった、いまの社会をどのように見つめているだろう。コロナ禍では2度目となるきょうの憲法記念日に思う◆職を失ったり、収入が減ったりして食費を切りつめる家庭がある。自殺する女性や子どもが増えている。夢をあきらめ、孤独に震える若者もいる。病床が足りず、これまでならば助かった命が危機にさらされる◆生命と自由が尊重され、みなが等しく幸せを追求できる国--憲法がうたう理念はこんな時代のためにある。2021・5・3

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