正平調

時計2021/06/09

  • 印刷

よほど使い勝手がよかったらしい。1本の万年筆を20年に渡って愛用した結果、「手の指の一本になってしまっている」。作家の開高健さんである(「この一本の夜々、モンブラン」)◆他のペンも試したが、どうも波長が合わず、「人」と「物」との出会いには何かしら奇遇としかいいようのないものがある、と開高さんは書いた。スポーツ選手と用具との関係にも当てはまる言葉かもしれない◆女子ゴルフの最高峰、全米女子オープンを19歳の笹生(さそう)優花選手が制した。興味深かったのは、笹生さんが使うアイアンヘッドの話題である。“国産アイアン発祥の地”兵庫県市川町のメーカーが製造したという◆波長がうまく合う、良縁であったに違いない。昨年に使用契約を結んでから程なくして、国内ツアーで2勝を挙げた。と思えば、あっという間のメジャー制覇である。メーカー冥利(みょうり)に尽きるとはこのことだろう◆イチロー選手らのバットを手がけてきたバット職人、久保田五十一(いそかず)さんの言葉を思い出す。「僕らは自分でバットを試せない」と、デイリースポーツで語っていた。その良しあしを試せるのは使う選手だけだと◆選手と職人-一流同士の技と技との融合が「超一流」のプレーを生む。そのことを笹生さんの快挙に学ぶ。2021・6・9

正平調の最新
もっと見る
 

天気(8月2日)

  • 34℃
  • 27℃
  • 10%

  • 37℃
  • 24℃
  • 10%

  • 35℃
  • 26℃
  • 20%

  • 36℃
  • 25℃
  • 20%

お知らせ