正平調

時計2021/06/26

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80歳で死去した立花隆さんは語ったそうである。「関心がある分野は最低でも10冊読むべきだ」と。3万冊を読み100冊を書いた、とも述べておられる。では、立花さんのことを書くには何冊ほど読めば…? 聞くのが怖い◆政治とカネの「田中角栄研究」に始まり、宇宙、サル学、歴史に哲学、生命科学と、多岐にわたるいずれの分野でも常に最前線に立ち、最深部へと分け入った人だった◆「死とは何か」も生涯をかけて追ったテーマである。とりわけ、死の間際に美しい花畑を見たり、亡くなった人間に会ったりする「臨死体験」を科学の目で解き明かそうとした著書やテレビ番組は反響を呼んだ◆それは脳の活動に秘密があって見る「夢」のようなものらしいのだが、興味を引いたのは「いい夢を見るには」という立花さんの教えである。暑すぎず寒すぎず、臨終の床は居心地よくしておくのが肝要という◆本当はどうだったか。人生という長い旅の終わりに何を見て何を感じたか。立花さんはすでに知っているはずだが、さすがの“知の巨人”もこれだけは語ってくれない◆こうして書きながら、恐る恐る窓の外を見る。「僕のことを書いたの? どれどれ。うーん、もっと本を読まないと」。雲間から声が降ってきそうで。2021・6・26

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