正平調

時計2021/07/01

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電気が通っていなかった山あいへの送電工事が完成し、点灯式の土産にラジオを持って行った。電気が通ると家々の明かりがついた。ラジオが鳴りだした。声を上げて泣く人がいた◆知事を退いたとき、真っ先に別れのあいさつに来てくれたのは、こうして電気が通った地域の人たちだったそうだ。手にヤマノイモやゴボウ。知事の仕事は激務だった。でも「ああこれで報われたと私は思った」◆1962(昭和37)年までの2期8年、兵庫県知事を務めた阪本勝さんの思い出話だ。数々の随筆や歌を残した文人知事は、厳しい財政状況に苦しみながら、県民の暮らしに寄り添おうとしたのがよく分かる◆「心にはつねに愛情のともしび」。そして「ドライな行動力はウエットな人間性で濡(ぬ)らされてこそ本物になる」。昔のことだと冷ややかに受けとめてはいけない。リーダーの持つべき資質が阪本節から読み取れる◆兵庫県知事選である。冗談めかして「ないのは炭坑だけ」と言われたほど、産業も文化も兵庫は多様で分厚い。しかしコロナ禍、人口減、災害への備え…と数々の難題が待っている。立ち向かう度量はあるか、なにより「愛情のともしび」はおありか◆候補者の公約を読もう。訴えに耳を澄まそう。じっくりと考えよう。2021・7・1

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