正平調

時計2021/07/04

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昨秋の神戸新聞文芸・詩部門で入選した6行の作品である。タイトルは「大きな手で」、作者は神戸の堀下善子さん◆〈大きな手で/降り続く大雨を/受け止めてくれないか/大きな手で/線状降水帯を/ペロッとはがしてくれないか〉。気象レーダーの画像に赤や黄色が次々と現れる。これが線状降水帯である。連なった積乱雲が大雨を降らせ続ける◆はがすことができるなら、ひっぺがしてほしい。まがまがしい色の下に、たくさんの人がいる。暮らしがある。身も心もこわばって、ただ無事に過ぎてくれることを祈っているだろうと、つい想像してしまう◆線状降水帯による豪雨で広島が大きな被害に遭ったとき、近くに住む知人に電話をした。いつもは元気な人なのに、声が沈んでいる。「すごい雷がずっと鳴り響いていて…怖かった」。一睡もできなかったそうだ◆球磨(くま)川があふれた熊本豪雨から、1年である。あの災禍も線状降水帯がもたらした。今年もすでに沖縄、そして伊豆諸島が…と思っていたら、熱海ですさまじい土石流が起きた。山の上から崩れ、音を立てて斜面を流れた。映像を見て背筋が寒くなる◆泥流にのみこまれた人、閉じこめられた人を早く救い出したい。〈大きな手〉はなくても、〈みんなの手〉で。2021・7・4

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