正平調

時計2021/07/05

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当時の熱気は肌で覚えている。大学設置を望む署名は36万人分に上り、7億円に達する義金が寄せられた。それだけに6月29日の姫路版を複雑な思いで読んだ。姫路独協大の経営が苦境に陥っている◆1987年に開学した後、順調に学生を集めていたが、2004年度に初めて定員を割り込む。理系学部新設も特効薬とはならず、21年度の入学者は過去最少となった◆「姫路に総合大学」の実現は長年、市民の悲願だった。源流は旧制高校の誘致にさかのぼる。政府の増設方針で運動が熱を帯び、予定の2倍近い寄付が集まった。1924(大正13)年、旧制姫路高が開校する◆リベラルな校風で人材を輩出したが、戦後の学制改革で他の旧制高校とともに閉校が決まる。国立姫路大の創設や京都大の分校化も検討されたが頓挫。神戸大姫路分校として存続したものの64年には姿を消した◆姫路独協大の開設を目指した市は、土地と50億円を出資する。全国初の公私協力方式である。伏線には、旧制姫路高を国立大として地元に残せなかった悔しさがあった◆経営改善に向け、姫路独協大は公立大学法人化を市に求めている。議論の前にもう一度問うてほしい。市民の熱はすっかり冷めてしまったのか。大学に何を期待していたのかと。2021・7・5

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