正平調

時計2021/07/06

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明治の初めに来日したオランダ人技師が富山県を流れる常願寺川を見て「これは川じゃない、滝だ」、そう叫んだと伝えられる。諸説ある逸話だが、川が滝に思えるほどの急勾配は、海と山とが近い日本の地形ならではだろう◆だからといって、繰り返し起こる土砂災害を「地形の宿命」だけで説明するわけにはいかない。静岡県熱海市の大土石流は、そこが傾斜地であることや長雨のほかにも、被害を大きくした要因がいくつか挙がる◆土石流は川伝いに海まで達したが、上流あたりで造成工事が行われ、大量の盛り土がしてあった。そのために保水能力が落ちていた、との見方が出ているという。住民避難のあり方とともに検証すべき話だろう◆作家の幸田文さんが、自宅で土砂崩れに見舞われた体験をつづっている。泥にとられた足はなかなか抜けず、土に引っ張られているような気さえした。さらに土砂が流れこんできたら、どうしようもなかったと◆熱海では行く手をはばむ泥が不明者の捜索を難しいものにしている。生存率が急に下がるといわれる「発生から72時間」がきょうに迫るなか、じっと救出を待ち、いまを懸命にこらえている命があると信じたい◆熱海の天気予報を、降水確率を何度となく見ている。念じている。2021・7・6

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