正平調

時計2021/07/22

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数日後、その場へ行った。頑丈なステンレス製パイプが曲がっている。たくさんの人の押す力、耐えようとする力。想像するだけで息苦しくなって、目を閉じ、じっと手を合わせた◆明石市の歩道橋事故である。花火大会を楽しもうとした11人が亡くなり、247人がけがをした。すし詰めの歩道橋で何があったか。状況を伝える記者の声がこわばっていた。あの夜から、きのうで20年になった◆事故が起きる少し前、近くの住民が撮った歩道橋の写真を見る。人、人、人である。悲しい事故を防ぐ鉄則は「止める勇気」と言われる。歩道橋の手前で「これ以上は危険」と止めていたら…と思ってしまう◆いや、通せんぼをせずに群衆の事故を防ぐ工夫はなかったか。競馬のメインレースは最後の一つ前に組むことが多い。終わってもまだ1レース残っているから、観客は出口へ殺到しない。巧みな事故防止策である◆阪神タイガースが勝てば、ファンは「六甲おろし」を歌ってから帰る。大相撲も、弓取り式を見て、さあ帰ろう。雑踏対策が目的ではないものの、結果として流れが分散する。いずれも同僚の記事に教わった◆止める。集中させない。惨事を防ぐそんな仕組みを整えてきたか。掛け声だけだったら、11人に報告できない。2021・7・22

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