正平調

時計2021/07/24

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“フジヤマのトビウオ”古橋広之進さんが1949(昭和24)年の全米水泳選手権で、1500メートル自由形をはじめ世界新記録を連発した。街頭ラジオには人だかりができ、号外がまかれた◆臨時ニュースや号外といえば戦争を想起する人もまだ多かったらしく、作家の久米正雄はあまりの騒ぎに違和感を覚えつつも書いている。「一スポーツの勝敗に、号外を出す事こそ、平和…」なのかもしれぬと◆自国開催で、本来ならスポーツ号外に沸くはずの「平和の祭典」だった。それがどうだろう。コロナのニュースにおびえ、憤り、しらけ、かたや選手たちの頑張りには拍手する。感情の行き場に迷う毎日である◆1年延期された、熱気なき東京オリンピックが開幕した。この大会にかけてきた選手も、心の持ちようには大変な苦労があったに違いない。ようやく夢舞台というところでコロナにかかり、棄権する選手もいる◆古橋さんは全米水泳の3年後、ヘルシンキ五輪に出場したが、力のピークは過ぎていたらしい。メダルは遠かった。「日本の皆さま、どうぞ古橋を責めないでください」。現地から届いた名実況は語り草である◆逆境下にあって、力を出し切ろうとする選手をだれが責めよう。今思うのはただ一つ、とにかく無事に。2021・7・24

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