正平調

時計2021/08/03

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1928(昭和3)年のアムステルダム五輪に、日本の女性アスリートが初めて出場した。伝説のランナー人見絹枝さんである。運命の8月2日、陸上800メートルで銀メダルを獲得した◆期待された100メートルは、準決勝でまさかの敗退を喫した。「負けました、と云(い)つて日本の地を踏める身か、踏む様な人間か」。日の丸の重圧に苦しんだらしい悲壮な心境を自伝「スパイクの跡」につづっている◆どうにか雪辱をと、急きょ800メートル出場を決めたが、この種目は経験がない。あすの1回でいい、どうか走る力を与えてください-決勝前夜は神様に祈り続けたという◆8月2日はその後の女性アスリートにとっても不思議な縁がある。有森裕子さんは92年のその日、バルセロナ五輪マラソンで「銀」に輝き、陸上では人見さん以来64年ぶりのメダリストとなった。きのうは村上茉愛選手が体操女子個人初の「銅」である◆人見さんは新聞記者として働きながら練習を休まず、五輪に出場したそうだ。本人いわく「クタクタ」だけど「非常に愉快です」。それなのに神様は残酷だ。きっと無理もたたったのだろう、程なく病に倒れた◆24歳で世を去ったのは五輪出場からわずか3年後の8月2日。それから90年、五輪の夏にその生涯をしのぶ。2021・8・3

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