正平調

時計2021/08/22

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高校を卒業後は父の営む鉄工所を手伝わないといけなかったから、通いの弟子になった。稽古熱心な青年は毎日通った。それも手に油をつけたまま◆持って生まれた才能だろう。師匠に稽古をつけてもらいながら、突然、ギャグを入れる。それがあまりにおもしろくて、教える師匠が笑ってしまう。聞くともなく聞いていた奥さんまでが笑いを漏らす◆落語家、笑福亭仁鶴さんの話である。このほど84歳で亡くなった。弟子時代の思い出は、上方のお笑い界を描いた難波利三さんの「笑いで天下を取った男」から。今ごろ、師匠の松鶴さんと久しぶりに会い、不意打ちのギャグで笑わせているかもしれない◆名前を覚えたのはラジオの深夜番組である。子どもには刺激の強い小話を挟んでまくし立てるので眠気が飛んだ。おぼろげな記憶だが、すでに「どんなんかな~」と言いながら、はがきを紹介していたような◆かつての松鶴、米朝、文枝、春団治さんらが戦後の落語界をよみがえらせ、仁鶴さんを筆頭にして若手がラジオ、テレビへ活動の場を広げた。仁鶴さんが弟子入りしたころの上方落語協会は二十数人である。今はその10倍だ。噺家(はなしか)は上方の表看板になった◆よう笑わせてもろた。楽しませてもろた。お疲れさん。おおきに。2021・8・22

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