正平調

時計2021/08/30

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障害者が自立するための「身体4原則」というのがあるんです、と先天性の脳性まひがある神戸在住の佐藤栄男(しげお)さんに教わった。どこかで聞いた語感だと思ったら、核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず、の「非核3原則」から造語したそうだ◆食べる、排泄(はいせつ)する、風呂に入る、着替える。この四つの行為を一人でできるかどうかで「人が『人』でいられるかが決まる」と◆なかでも車いすで生活する佐藤さんを苦しめ続けたのが排泄だ。便意を催すたびに介助者を呼び、ズボンとパンツを下ろしてもらう。「自然現象だから仕方ない」といくら慰められても、慣れることはなかった◆そこで考えたのがトイレ付き車いすだった。座席の下に簡易便器を置き、穴の空(あ)いたパンツとズボンをはいて座る。これで24時間の介助は不要になった。だが「排泄はトイレでするもの」という常識を捨てるのは、簡単ではなかったという◆コロナ禍のなか、東京パラリンピックの熱戦が続く。国際パラリンピック委員会のアンドルー・パーソンズ会長の言葉が印象深い。「障害者は4年に1度の大会のために存在しているのではない。あなたの隣で、毎日暮らしている」◆躍動するアスリートたちが乗り越えてきた「身体4原則」に思いをはせる。2021・8・30

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