正平調

時計2021/08/31

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かつてプロ野球・巨人が明石市でキャンプを行っていたころ、選手の一人に若き日の長嶋茂雄さんがいた。タコのおいしさに舌を巻かれたようで、引退してからもすし店では「明石のタコ」を注文する、と自叙伝で触れている◆ミスターも愛する名産のタコは夏が旬で、この時期にとれるものは「麦わらダコ」の別名でも知られる。強い日差しを避けるため、漁師さんが麦わら帽子をかぶってタコ漁に出ることからそう名付けられたとか◆その明石ダコとして知られる播磨灘のマダコが今年はかつてない不漁だと、本紙が伝えている。明石沖の7月までの漁獲量は前年の7割以上減というから厳しい。麦わら帽の下で、漁師さんは嘆いておられよう◆歯ごたえよし、うま味よしで天下に聞こえ、刺し身、やわらか煮、天ぷら、明石焼…ほかいろいろ、こうして思い浮かべるだけで喉が鳴って仕方がない。不漁の要因はいまのところ、はっきり分からないらしい◆俳聖、松尾芭蕉も明石を旅した折には心をひかれるものがあったとみえ、〈蛸壺(たこつぼ)やはかなき夢を夏の月〉と有名な句を残した。蛸壺の中でタコが見る夢とは、いま再び自由気ままに大海を泳ぐ自身の姿だろうか◆不漁が悪い夢ならば、早く覚めてほしい。そう願うばかりである。2021・8・31

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