正平調

時計2021/09/03

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映画「アメリカン・ヒストリーX」に出てくる警句。「憎しみは重い荷物みたいなもの。怒ったまま過ごすには、人生は短すぎる。その価値はない」。手元の映画名言集から拝借した◆あいつを許さない-。人間だもの、そうした恨みつらみの感情が胸に張りついて消えないことは誰にだってある。とはいえ、暗い炎に怒りのまきをくべ続けても自らを苦しめるだけ。人生を台無しにしかねない◆まして他人の人生を壊そうとするなんて…釈然としない事件が続く。「大学時代、相手の態度が悪かった」。かつてのサークル仲間に硫酸をかけた疑いで逮捕された25歳の男は、そういう供述をしているという◆男には「たかがそんなこと」で済ませられなかったとしても、被害者は6カ月の大やけどである。他にも「腹が立った」「嫉妬した」、動機として語られる言葉の軽さと犯行の凶悪さが結びつかない事件が多い◆「復讐(ふくしゅう)」について、アルゼンチンの世界的作家、ホルヘ・ルイス・ボルヘスはこう語ったそうである。「忘れることが唯一の方法だ」。過去にこだわれば過去にしか生きられないと、そう言いたかったのだろう◆新聞を開けば、痛ましい記事が載っている。独り善がりな「恨」や「憎」の字が腹立たしく、やりきれない。2021・9・3

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