正平調

時計2021/09/20

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「小説家、詩人、歌人、俳人。いずれ功名心の強い強突張(ごうつくば)りである」。小欄ではない。今は亡き作家の車谷長吉さんの言である。続けていわく「そういう瓢箪(ひょうたん)茄子(なすび)を顕彰するために、このごろ全国各地に文学館なるものが出来た」と容赦ない◆文学館の歴史は戦前にさかのぼる。1934年開館の小泉八雲記念館をはじめ、まずは作家個人の顕彰施設がゆかりの地に造られた。80~90年代には、いわゆる箱物建設ラッシュとなり、日本中に総合文学館が立ち並ぶ◆今年で開館30周年を迎えた姫路文学館も、時期的にはそんな箱物の一つに入るだろう。26日まで開催中の企画展では、これまでの歩みを振り返っている◆和辻哲郎、椎名麟三、有本芳水、永田耕衣、司馬遼太郎…。播磨ゆかりの文学者を中心に、収集してきたコレクションは約17万7千点。膨大な館蔵品は全て手書きの台帳に記録しているという◆パソコンで入力しておけば、管理も活用もたやすい。しかし、実体のないデータだけでは危うい。手書き台帳には、浮足だった現代社会への批判精神もにじむ◆車谷さんの言葉のさらに続きを。「ところが私はこのごろ、ちょくちょく姫路文学館へ出入りしている。これは何を意味するのか」。どうやら、お気に召したようで。2021・9・20

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