正平調

時計2021/09/25

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古新聞を切り抜き、生徒それぞれに適した教材を100人分、一晩かけて作ったこともあるそうだ。いかにして学ぶ意欲を引きだすか。2005年に98歳で亡くなった伝説の国語教師、大村はまさんは創意工夫の授業で知られた◆「分かりましたか?」を自らの禁句とした。「はい」という答えを、自分より立場の弱い子どもに期待しているようでは甘い。甘いから、すぐ相手のせいにして叱るのだと。そこに厳しい職業人の矜持(きょうじ)がみえる◆「分かりません」と言った女児の前で、同僚に「こんなやつらに教える意味ありますか」と言い放つ。姫路市立小の特別支援学級で暴言と体罰を繰り返した元教諭である。「死ぬしかない」と言われた子もいる◆聞きとがめた同僚から何度も報告を受けながら校長らは深刻にとらえず、十分な対応をとらなかったという。子どもの人権より、守りたいものがあったらしい。ある児童は「学校をやめる」とまで口にしている。追いこまれた子の心を思うと、涙が出る◆大村さんは新米のころ、授業に臨む心構えを校長に教えられた。「子どもにとってはどれも唯一の、再び繰り返すことのできない貴重な時間なんだ」。今もそうだろう◆楽しい。学びたい。純粋な気持ちを踏みにじって何の学びやか。2021・9・25

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