正平調

時計2021/10/25

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〈泣笑ひしてわがピエロ/秋ぢや! 秋ぢや! と歌ふなり〉。肌寒い季節になると堀口大学の詩を口ずさむ。詩集「月光とピエロ」の最も有名な一編「秋のピエロ」だ◆この堀口の第1詩集が刊行されたのは、1919(大正8)年。当時、詩人は26歳だった。しめやかな月光を浴びておどける孤独なピエロの姿を哀愁を交えて表現した◆この詩の世界に感動した作曲家清水脩(おさむ)は第1回全日本合唱コンクール(48年)の課題曲として作曲した。その後男声合唱組曲となり定番曲として長く歌い継がれてきた◆分かりやすく、愛唱しやすく、メロディーにのりやすい。堀口の詩はさまざまな作曲家が合唱曲に採用した。有名曲も数多い◆詩人の名前を一躍有名にしたのが訳詩集「月下の一群」だ。ヴェルレーヌの「秋の歌」は訳詞で音楽性をまとう。〈秋風の/ヴィオロンの/節ながき啜(すす)り泣き〉。作曲家南弘明の合唱組曲は歌とピアノが絡み合い、〈ふきまくれ逆風(さかかぜ)よ〉で寂寥(せきりょう)感を残す◆堀口は今年、没後40年を迎えた。生活のために教壇に立つことなどもほぼなく、詩人として89年の生涯を全うした。その歩みを、評伝「堀口大學-詩は一生の長い道」(長谷川郁夫著)で知った。深まる秋。名詩をのせた合唱音楽を静かに聴きたい。2021・10・25

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