2021/10/30 06:00

NHKの連続テレビ小説「おかえりモネ」を朝に見た後、すぐに復習したくて昼の放送も見ることを「おかわりモネ」と呼ぶらしい。1日に2度も視聴していた人はさぞ寂しいだろう。昨日、フィナーレを迎えた◆東日本大震災後の東北を舞台にしたのは、神河町出身ののんさんが主人公を演じた「あまちゃん」以来2回目。のんさんの明るいキャラクターと楽しいストーリー展開で、津波被害の悲しみを吹き飛ばそうとした前回とは違い、今回は東北の人たちが重ねた10年の葛藤と心の機微を丁寧に描いていた◆テーマの一つは命の循環だろう。海とともに生きる島で育ったモネは、森の暮らしで自然の大切さを知り、気象予報士になる。じれったい姉妹の恋路も最後は実り、やれやれ、ほっとした◆印象に残ったせりふがある。宮城県登米市の森でヒバの木を守るサヤカさんの言葉だ。自信を失ったモネを励ます快活なおばあちゃんである。必死で生きる若者の姿を見ながらふと漏らす◆「次の世代はもう育ってっから」。自然と同様に人と人もつながり合い、世代を超えて命は循環する◆あすは衆院選と神戸市長など地方選の投票日。政治の世界にも「おかわり!」と言いたくなる人はいないものか。候補者の顔を、よーく眺める。2021・10・30 関連ニュース 朝ドラに登場の木工キット「組手什」 丹波篠山のNPOが製造・販売 簡単加工で家具づくり 【茅島みずき】不穏な空気を「目」で演じ、FODドラマ「エリカ」に主演  歌手、俳優の上條恒彦さん死去 85歳、「出発の歌」


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