正平調

時計2021/11/21

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「芝浜」という人情噺(ばなし)が古典落語にある。十八番(おはこ)にした一人、立川談志さんが亡くなって今日で10年というので、もう一度聞いた。ご存じの方もいるだろうが、あらためてあらすじを◆酒好きで怠け者の亭主が大金入りの財布を拾った。「天から授かった」と喜んで酔いつぶれ、目が覚めると財布がない。「夢をみたんじゃないのかい」。女房はそう言って、地道に働いて借金を返そうと諭す◆改心して3年がたった大みそか、あの財布が目の前に。実は寝ている間に女房が落とし物として届けたのだが、申し出る人がなく戻ってきたのだ。久しぶりに酒をと思ったが「止(よ)そう。また夢になるといけねえ」◆初めて聞いたのはいつだったか。談志さんらしいテンポで話を畳み込んでいくかと思えば、一転して、ゆったりと夫婦の情を語る。戻ってきた財布を前にしての2人のやりとりを聞いていると、ホロリとする◆さて、現代。コロナ禍対策の雇用調整助成金や持続化給付金をだまし取る事件が相次ぐ。官僚が架空の会社をつくって虚偽申請したかと思えば、警視庁の警官までが不正に手を染めていた。よこしまな振る舞いで財布を膨らませる出来事のなんと多いこと◆まっとうに働こうよ、お前さん。人情噺のせりふが聞こえてくる。2021・11・21

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