正平調

時計2021/11/24

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「ピクニック」という句集をいただいた。俳人や川柳作家が集まり、年3回出しているらしい。面白いので何句か紹介しよう◆樋口由紀子さんの〈まんなかの男子児童を取りにゆく〉は、花いちもんめの情景だろう。勝ち気な少女の笑みが浮かぶ。〈よく笑う方が傷んでいる蜜柑(みかん)〉は月波(つきなみ)与生(よじょう)さんの句。そうか、蜜柑の傷は笑いジワなんだ◆鈴木茂雄さんの〈冷奴くづして変なことをする〉には腹を抱えた。一体、何をしたのやら。かと思えば、木村オサムさんの〈蝉時雨核反対の声尽きて〉といった句に虚を突かれる◆句集を出すことは「発表と同時に破棄する決断をし、違う世界を構築するための戦い」と編集人の野間幸恵さんは言う。引用したうち、前の2句が川柳作家、あとの2句が俳人の作なのだが、その覚悟に違いはあるまい◆ふと、1989年にハンガリーで開かれた「ヨーロッパ・ピクニック」を思い出した。自由を求める東ドイツ国民が多数参加し、後のベルリンの壁崩壊につながったのだ◆ピクニックという愉快な言葉で立場の異なる人々がつながり、新たな地平を目指す。コロナ後の世界を模索する今も、そんなふうに明るく前を向きたい。最後に、妹尾凛さんの一句をどうぞ。〈どこへ行こうか空色のお弁当〉2021・11・24

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