正平調

時計2021/12/03

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体調不良をおして舞台に立ち続けた初代に自らを重ね、二代目中村吉右衛門さんは語っている。播磨屋(屋号)は病なんかに負けない、「楽屋で死んでいても、舞台に立ったら生きるんだ」。8年ほど前のある月刊誌で読んだ◆初舞台を4歳で踏み、歌舞伎役者として生きて生きて生き抜いて、吉右衛門さんが77歳で亡くなった。療養中だといわれていたが、復帰の願いはついにかなわなかった◆大学に進んだころは、フランス文学の道を歩むことも考えたそうだ。絵心にたけ、旅先にはスケッチブックを携えて風景を描いた。音楽にも通じている。役者としては名を末代にまで伝える「人間国宝」である◆人としての裾野の広さ、懐の深さはそのままテレビ時代劇「鬼平犯科帳」の長谷川平蔵役に重なっていたように思う。ほろっとさせる人情味、おかしみ。うまいものに目がなく、剣は鬼のように強い。しびれた◆吉右衛門さんの魅力は-制作スタッフがかつて、インタビューに答えている。「何よりもその表情ですよね」。人生を何周もしてきて、いろんなところを回り、今ここに立っているように感じさせると。分かる◆〈「神妙に致せ」ぴしりと鬼平に叱られここちよき夜(よ)のテレビ〉(蒔田さくら子)。声がまたよかったんだ。2021・12・3

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