正平調

時計2021/12/09

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16年前の記事である。「東ドイツなまりや、あか抜けしない服装、化粧をからかわれ、カリスマ性はなかった」「党内に不満分子を抱え、国民の間には短命政権を予想する声が多い」◆時は過ぎて、この春に日本で出版された著書で、気鋭の哲学者マルクス・ガブリエルさんが書く。「倫理的に正しいことをする代表的な人物です」「ドイツ史上で最高の首相、いや政治家かもしれません」と◆ドイツを率いてきたメルケルさんのことだ。退任式典では涙を浮かべた。記事が伝えたように、冷ややかなまなざしも受けて16年。経済を立ち直らせ、脱原発、難民救済に踏み切る。決断力にはしばしばうなった◆コロナ禍でのテレビ演説が忘れがたい。東ドイツ育ちだから自由という権利の大切さは分かると前置きし、「今は命を救うために避けられない」とさまざまな制限への理解を国民へ求めた。言葉が生きていた◆欧州から、こんな声。「メルケル氏のいないEU首脳会議は(人気キャラクターの)ミス・マープルがいないアガサ・クリスティの小説のよう」。複雑に絡み合った欧州で、難題を解ける主人公は現れるだろうか◆政府は帆、国民は風、国家は船、時代は海…と説いた作家がドイツにいた。首相が代わって、風はどう吹く。2021・12・9

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