正平調

時計2021/12/16

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通り抜けた地域の一つ、米国・イリノイ州にある炭坑の町での話だ。1500人ほどの作業員が坑道に入っていたとき、ごう音がし、電気が消えた。地上に出ると、町は壊滅していた◆竜巻である。多くの女性や子どもらの命を奪い、この町を含めて352キロも駆け抜けた。1925年のことだ。動いた距離が世界最長と、気象予報士森田正光さんと森さやかさんの著「竜巻のふしぎ」に学ぶ◆この記録を抜くのではといわれる大きな竜巻が米国を襲った。同時多発的に数十もの渦が巻き、その一つは米国のど真ん中を突っ走っていた。被害の模様をニュース映像や写真で見て、ただただ絶句するばかりだ◆森田さんらによれば、米国では竜巻の避難訓練がある。まず地下室へ逃げる。無理だったら1階で体を丸め、頭を守る。今回もそうした人がたくさんいたのだろうが、自然は無慈悲だ。なんともやりきれない◆日本でも毎年、どこかで被害が出る。鎌倉時代の随筆「方丈記」に、「地獄の業の風」が京に吹いたという一節がある。家々は倒れ、家財が空を舞った。「さるべきもののさとしか」と筆者鴨長明は書く。さるべきもの、つまり、神仏の警告ではないかと◆今風に書くならば、温暖化を戒める天の警告かもと、つい考える。2021・12・16

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