正平調

時計2021/12/22

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遊具のぶらんこは春夏秋冬、いずれの季節とも縁がある。漢字で表せば「鞦韆(しゅうせん)」、または「秋千(しゅうせん)」。秋と関わりが深いのかと思いきや、俳句の世界では春の季語というからややこしい◆百科事典によれば、中国では太陽がよみがえる春に、北欧のある地方では夏至に、イタリアやスペインでは冬至祭が由来のクリスマスに、ぶらんこに乗る習俗があるのだとか。北村薫さんの著書「詩歌の待ち伏せ」に教わった◆どうして、ぶらんこがこうも時候と結びつくのだろう。北村さんは書いている。「弧を描きつつ、行って戻る周期性によるのでしょう。なるほどそれは、天体の運行を思わせます」と◆そうだったのか。子どもたちが板に腰かけ、力いっぱいこいで行きつ戻りつする軌道は、太陽の動きを表していたらしい。昔の人の豊かな想像力に驚く◆早いものできょうは冬至、一年のうちで最も太陽が低く、最も昼が短い日である。「一陽来復」。暗い世相も反転、明るくなりますよう、これから再び高度を上げていく太陽にお願いしておこう◆ぶらんこは「ふらここ」ともいう。北村さんの本で知った一句は切ない。〈黄泉路(よみじ)かへし母よふらここ押したまへ〉(星野慶子)。背中に大きなぬくもりを感じた昔日の記憶が行ったり来たり。2021・12・22

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