正平調

時計2021/12/31

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NHK紅白歌合戦の曲目を見るとはなしに見ていて、薬師丸ひろ子さんの歌が目にとまった。♪ああ時の河を渡る船に/オールはない 流されてく…。さびの一節を懐かしく思い出す◆1984年発表の「Woman“Wの悲劇”より」(詞・松本隆)で、主演映画が公開された年の瀬に、よくラジオでかかっていたとぼんやり記憶している。「時の河」の流れが最も早く感じられる時節だろう◆切ない歌詞が今、新型コロナウイルスの感染爆発で始まったこの一年に重なって、何だか胸がつまる。緊急事態宣言、ワクチン、オミクロン株…思えば、かじのきかない船が激流にのまれたかのような年だった◆開催をめぐって世論を二分した東京五輪・パラリンピックがあった。土石流の惨事に涙し、ビル放火に言葉を失った。首相が代わり、選挙があった。リアル二刀流やノーベル物理学賞に沸いたのも、今年である◆「ただ過ぎに過ぐるもの 帆かけたる舟。人の齢(よわい)。春、夏、秋、冬」(「枕草子」)。付け加えるなら、報じる先から日々刻々、過去へ遠ざかっていくニュースもそうだろう。とはいえ、どれも忘れたくはない◆大みそか、除夜の鐘に何を祈ろう。欲は言うまい。新たにこぎ出る「時の河」が、穏やかでありさえすれば。2021・12・31

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