正平調

時計2022/01/04

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敗戦翌年の元日を迎えて、作家は日記に書きとめている。「日本史上空前絶後の暗黒の年明けたり」。今の養父市関宮に生まれた山田風太郎の「戦中派焼け跡日記(昭和21年)」にある◆東京の医学生だった風太郎は年末から帰郷していたようで、24歳の誕生日でもあった1月4日には但馬の情景をこうつづった。「藍色の遠き雪の山々。雪ふるか白じろと霞(かす)み来る。円山川の冷たきさざなみ…」◆5歳で父を、中学で母を亡くし、20歳のときに上京した。家出同然だったといわれるが、売れっ子になってからもエッセーなどで折にふれて、ふるさとを懐かしんでいる。本を読みふけり、映画を愛した日々を◆探偵作家としてデビューし、世に一大忍者ブームを呼び起こした「忍法帖」シリーズはもちろんのこと、明治もの、怪奇ものと幅広い作品が愛された。79歳で亡くなった作家の、きょうは生誕100年にあたる◆子どものころ、実家にあったナツメの木によく登り、実を食べた思い出が忘れがたく、東京の自宅にも植えたそうだ。ゆかりの木は生家近くにある「山田風太郎記念館」にも植えられ、ファンに親しまれている◆記念の年に、まずは何を読もうかしら。ページをめくれば、あら不思議、読者の心に「風」は巻き起こる。2022・1・4

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