正平調

時計2022/01/10

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JR姫路駅を北へ出る。真っすぐに延びる大手前通りの先に、世界文化遺産・国宝姫路城が見える。真正面に城と向き合えるぜいたくな景観は今や日常風景となった。だが、実現までには曲折があったことを、元日付の姫路版の連載で知った◆きっかけは2008年の在来線高架化だ。工事に合わせて駅南口を24メートル西へ移動させ、城に向けてコンコースを通した。従来の改札口からはビルに遮られ見えなかった◆城の眺望にこだわったのは姫路市側。JRは当初、南口の付け替えに反対だった。工事費がかさみ、駅構内の飲食店などの立ち退きも必要になる。何より工期を遅らせるわけにはいかない。市は一時、コンコースを鍵形に曲げる妥協案も検討したという◆結局、市が移転交渉などを主体的に進めることで決着した。担当者は公私の別なく店に通い、移転への理解を求めた。「高架事業は姫路市百年の大計。絶対にコンコースの位置は譲れなかった」と述懐している◆抜群の眺めは大手前通りの貢献も大きい。戦災復興事業として整備されたが、当時としては破格の幅50メートルの道路に「運動会でもやるつもりか」との批判もあったという◆きょうは成人の日。帰郷して駅前に立つ若者も多いだろう。絶景に潜む思いを感じてほしい。2022・1・10

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