正平調

時計2022/01/18

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前触れもなく、それは突然現れたという。「海水がふくれ上って、のっこ、のっことやって来た」(吉村昭著「三陸海岸大津波」より)。1960(昭和35)年のチリ地震津波である◆マグニチュード9・5の大地震があった南米チリ沖から、津波は1日がかりで東北などに達した。サイレンは鳴ったが、事態がのみ込めず避難しなかった人もいたそうだ。死者・不明者はおよそ140人に上る◆トンガ沖の海底火山噴火で、気象庁は当初「被害の心配なし」としていた。夜中にいきなり避難を呼びかけられた住民は肝を冷やしたことだろう。そのときすでに8千キロも離れた日本の沿岸に津波は達していた◆「万が一に備えて避難した」「家族に心配をかけたくない」。すかさず高台に逃げた人たちが話している。発生のメカニズムなどまだ分からないことは多い。とはいえ火山噴火で津波が来ることを知っただけでも、これからの備えには役立つに違いない◆きのう、阪神・淡路大震災の追悼行事があった神戸の東遊園地で「忘」という字が暗闇に浮かび上がるのを見た。災害は忘れたころにやって来る、という。だとすれば、過去の災害から学んだ教訓を「忘れない」。防災のはじめの一歩はそれに尽きよう◆備える心を、忘れまい。2022・1・18

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