正平調

時計2022/05/07

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文豪でなくとも作家の書斎には興味をそそられる。雑誌などで「書斎拝見」といった特集が組まれるのも、その知的創造の場に好奇心を駆り立てられるからだろう◆養父市関宮で生まれ、伝奇小説の「忍法帖」シリーズや「戦中派不戦日記」などで知られる作家、山田風太郎が生誕100年を迎えた。2001年の没後初の大規模展が姫路文学館で開かれている◆20代のころに書きためた創作メモ「小説腹案集」が目を引く。タイトルのみを含め小説136編のプロットが記されている。後年、腹案集から、独立した作品や、複数が組み合わさった小説が生み出された◆死してなお人気のある流行作家はそう多くない。存命中は映画や舞台の原作になった。現代では映画のみならず、漫画でよみがえっている。メディアミックスの先駆けを経て、今も原作となり得る作品力は感嘆するほかない◆会場には東京の自宅の書斎が再現された。木製の机や椅子、文房具など全て実物だ。机の書棚には「明治の剣術」「日本刑罰史」など辞典や年表が並ぶ◆「自筆資料に接することで、壮大なる〈虚〉を生み出した、偉大なる〈知〉の足跡をたどる快楽を味わって」。茨城大の谷口基教授による資料解説はこう結ばれている。机上に奇想を見る。2022・5・7

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