正平調

時計2022/05/26

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江戸時代後期の話である。ロシアの艦長が捕らわれの身となり、2年半近く、北海道で過ごした。彼はその間、目に映った日本人のことを「日本幽囚記」に書き残している。例えば◆護送の道中、あちこちで群衆に囲まれた。浴びたのは、敵意ではなく、同情するようなまなざしだった。「希望を持つように」と慰められもした。飲み物を求めたら競って差し出され、酒や砂糖菓子、果物までも◆日本の観光力が初の世界一と、世界経済フォーラムが発表した。2年に1度のこのランキングでは上位常連組だが、重苦しい話が続くから、「1位」の字が輝いている。向かい風の観光業界はうれしいだろう◆便利な交通網や文化資源が評価されたと記事にある。いや、大事なことをお忘れなく。風呂敷を真ん中でつまめば全体が上がるように、失意の艦長を感激させた親切な国民性が魅力を引っ張り上げたと受け止める◆江戸時代の手記をもう一つ。長崎と江戸を何度も往復したドイツ人医師の残した「江戸参府旅行日記」だ。ときに街道は人であふれていると、彼は驚く。参勤交代もあるが、何と旅好きの人が多い国だろうと◆コロナ禍が収まり、道がにぎわいますように。外国からのたくさんの観光客をもてなす日々が戻りますように。2022・5・26

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