正平調

時計2022/05/31

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〈竹、竹、竹が生え。〉と結ばれる萩原朔太郎の詩「竹」は、真っすぐに青空へ向かって伸びる竹の姿が明快に描かれる。詩人は合わせて、地下に生える根の繊細さにも詩情を注ぐ◆伸びやかに人と接しながら、根っこには確かな知識とロマンを蓄えている。先週末、訃報に接した兵庫県立人と自然の博物館の主任研究員、三枝春生さんの印象である◆子どもの頃、怪獣映画に魅せられたのをきっかけに恐竜に興味を持ったそう。山や海岸に出掛けて化石を掘り、博物館を巡った、自称「恐竜少年」。今もそのまんまです、と講演会で自己紹介していたのを思い出す◆淡路島で、関西で初めて恐竜の化石が見つかったとき「私が期待しているのは篠山層群。恐竜の化石発見の見込みがある」と本紙に寄せた。数年後、予言は当たる◆丹波で見つかった草食恐竜の化石は骨格がほぼつながった状態で、三枝さんも思わず「かっこいい」と発した。後に新種と分かると、第一発見者の2人の男性に敬意を表し、学名に「友情」を盛り込むロマンチストな面も。それにしても63歳の逝去はあまりに早すぎる◆博物館で発掘現場で、三枝さんに接した恐竜ファン、化石ファンの子どもたちがたくさんいる。伸びやかに夢を育んでくれれば、と願う。2022・5・31

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