正平調

時計2022/06/08

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優れた造語で戦後の世相をあぶり出したジャーナリスト、大宅壮一に有名なコピーがある。「男の顔は履歴書」。男の一生の行動や信念は、その顔に刻まれる。古い薫りがする言葉だが、この人の訃報に接し、つい思い出した◆元自治相で民主党の副代表を務めた石井一(はじめ)さんが87歳で亡くなった。鋭い眼光と太い眉で相手をにらみつけ、そうかと思ったら急に相好を崩す。緊張と弛緩(しかん)の振り幅の大きさで人の心をぐいとつかむ政治家だった◆1969年に衆院旧兵庫1区から政界入りし、自民党田中派の“青年将校”と呼ばれた。当選前、田中角栄元首相の私邸に呼ばれた思い出を晩年、あっけらかんと語っている◆「がんばって上がってこいと30万円の入った封筒を渡された。確かに金権政治家だったが、金の使い方はうまかった」。疑獄事件で失脚した政治の師の無罪を最後まで信じた◆思い出すのが、阪神・淡路大震災後に構想した「大阪(伊丹)空港の廃港と跡地への副首都建設」案。政党の枠を超えて粘り強く訴えたが、東京一極集中の壁に阻まれた。当選同期の小沢一郎氏と二大政党制の実現に尽くすも、本格的な政権交代は一度きり◆6党を渡り歩き衆院で11期、参院で1期。履歴書の最後に刻みたかった成果は何だろう。2022・6・8

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