正平調

時計2022/06/15

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日本における入れ歯の歴史はヨーロッパより200年ほど早いらしい。現存する最古の入れ歯は木製で、室町時代に「仏姫(ほとけひめ)」と呼ばれた尼僧が使っていた。和歌山市の願成(がんじょう)寺に保管されている◆江戸時代になると一般にも広がり、専業の入れ歯師がいた。仏師が木彫の繊細な技を応用したもので、日本の木の文化が独自の歯科技術を生んだ。昔も今も、歯が人々の暮らしに果たす役割の大きさは変わらない◆政府は、先日決定した経済財政運営の基本指針「骨太の方針」の一つに「国民皆歯科健診」の検討を盛り込んだ。資産所得の倍増、防衛費の増額-と大文字の項目が並ぶなか、やや異彩を放っていた◆歯の本数やかみ合わせで健康に差が出ることが分かってきた。歯周病を放置すれば糖尿病のような別の病気にもなりやすく、歯科健診で医療費全体の抑制が期待できるという。確かに歯を失ってから歯磨きを始めても、覆水盆に返らず◆政治団体の日本歯科医師連盟が長らく法制化を訴えていたから、迫る参院選へ与党の思惑が透けて見える。人生100年時代に歯は大切だが、国民の受け止めはどうか◆骨太の方針は岸田内閣の事実上の「政権公約」で、多岐にわたる。老いも若きもしっかり内容を噛みしめ、参院選に臨みたい。2022・6・15

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