正平調

時計2022/06/16

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俳句の会で発表された作品。〈子の喧嘩(けんか)いはしておかう梅雨の部屋〉。指導の俳人、中村汀女(ていじょ)は〈子の喧嘩

聞こえぬふりや梅雨の宿〉と添削した◆母が家にいると、なぜか、子どもが言い争う。叱らず、聞こえぬふりをしてみよう。耳を澄ますと、外は雨。「しばらくの我慢を雨音がつつんでいる」と、随筆の「雨をくぐる」で添削の理由を書きとめる◆雨には不思議な力があると、俳人は思う。「外に散る心を雨音が押(おさ)え、深くもさせる」からか、聞くうち、家族や自分のことをふと考えたりしている。近畿が梅雨入りし、そんな雨音が耳に届く季節となった◆ただし最近の雨音は穏やかではない。国土交通省によると、昨年の土砂災害はざっと千件もあった。時速にして20キロから40キロにもなる土石流がもたらす惨事は、毎年のように見聞きする。悲しみの雨音が絶えない◆雨が多いから、日本には怖い言い回しがいくつもある。土砂降りの雨を「滝落としの雨」と呼ぶのもその一つだ。滝のように響いて降る、と聞くだけでゾクッとなる◆反対に「五風十雨(ごふうじゅうう)」というのがある。5日に1度は風が吹き、10日に1度は雨が降る、穏やかな空模様のことだ。梅雨だから10日に1度とはいかないが、願わくは、心静かな雨音となりますよう。2022・6・16

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