正平調

時計2022/06/23

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国吉(くによし)勇さんは、沖縄ではよく知られた存在である。77歳だった6年前、体力がもたなくなって活動を退いたが、それまでの約60年間で約3800柱の遺骨と約10万点もの遺品を集めた◆誰かに頼まれたわけではない。6歳で沖縄戦を体験し、祖母や母、兄、弟らを失った。遺骨や遺品の収集を始めたのは高校生のころだ。その後、会社を営む傍ら、茂みを掘り返し、ガマ(自然壕(ごう))の奥へ入る◆「遺骨が呼んでいる」。そんな気分になるそうだ。地表の遺骨収集はすんでも、丹念に地面を掘り起こすと遺骨や遺品が出てくる。それが沖縄。遺品は今、自宅の一角を「戦争資料館」と名づけ、丁寧に保存する◆まだ3千柱もの遺骨が残るというその沖縄、とりわけ激戦地だった南部の土砂を、米軍普天間飛行場の移設先、辺野古の埋め立てに使う計画がある。悲しみをいっぱい吸い込んだ土である。聞いて耳を疑った◆沖縄南部の土砂を使うという計画を受け、全国各地の地方議会で意見書が可決されている。埋め立てに使うなというものから、遺骨収集を急げというものまで、微妙な違いはあるものの、兵庫県内でもこれまでに、県議会を含む八つの議会が可決している◆きょうは沖縄慰霊の日。土砂の中から呼ぶ声を国は聞いているか。2022・6・23

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