社説

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 どこで、どう間違えたか。高校、プロと「球歴」が飛び抜けていただけに栄光と転落の落差は大きい。

 元プロ野球選手清原和博容疑者が逮捕された。覚せい剤所持容疑だ。

 2日夜、東京・港区の自宅で覚せい剤と注射器を所持しているところを警視庁の捜査員が逮捕した。ストローやパイプなども押収された。覚せい剤は、「自分で使う目的だった」と認めているという。

 衝撃の割に意外な感じがしないのは、週刊誌が薬物疑惑を報じていたからだろう。本人は否定していたが、身辺にどことなく不穏な空気がまとわりついていた。冷静に受け止めた人は少なくあるまい。

 転落の引き金になったのは何か。いつ、どんなルートで手を染めるようになったのか。動機、目的は。徹底捜査で解明してもらいたい。

 目をつむると、球場を沸かせていたころの歓声が聞こえる。

 全国高校野球大会でヒーローとなった大阪・PL学園高時代。後に巨人などで活躍する桑田真澄投手との「KKコンビ」は史上最強と呼ばれた。春夏5季連続出場の甲子園で優勝2回、準優勝2回。

 プロ入り後はホームラン打者の天分に磨きがかかる。西武ライオンズでいきなり31本を放ち新人王に。引退するまで525本を積んだ。2122安打、1530打点という数字も含めて一流打者の証しである。

 自らまいた種とはいえ、過去の成績やキャリアが帳消しになった。「もったいない」と読者は語るが、それを通り越してプロ野球に対するこれ以上の背信行為はない。

 清原容疑者が活躍した1980年代半ば~2000年代、背中を追った世代が30~40代となり、実社会で中心的役割を担う。その人たちのあこがれを裏切った責任も重大だ。

 清原容疑者逮捕を受け、日本野球機構(NPB)が選手向けの有害行為講習会で薬物の講義を加えることにした。昨年は巨人の3投手による野球賭博が発覚した。賭博も違法薬物も健全なスポーツとなじまない。あらためて自覚する必要がある。

 桑田さんは「人生でもきれいな放物線を描く逆転満塁本塁打を打ってほしい」と、窮地の友を励ます。

 まずは事実の究明が先だ。清原容疑者は頭を冷やしてほしい。どう更生するか。人間「キヨハラ」の真価が問われるのは、その時だ。

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