社説

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 国会や地方議会の女性議員を増やすため議席や候補者の一定割合を女性に割り当てる「クオータ制」の議論が本格化する可能性が出てきた。

 自民、公明両党と日本維新の会は、候補者の男女数を「できる限り均等」にすることを目指す法案を昨年12月、臨時国会に共同提出した。民進党など野党4党は先に「男女同数」を目指す法案を出している。

 女性政治家を育てる重要性は政党共通の課題である。与野党が知恵を絞り、実効性ある制度を確立する契機としなければならない。

 日本の女性の政界進出は世界に大きく後れをとっている。「列国議会同盟」による2016年調査で、日本の衆院の女性比率は9・5%で193カ国中157位。平均の22・9%を下回り、政府が掲げる「指導的立場に占める女性の割合を2020年までに30%に」の目標は遠い。

 日本で女性が参政権を得て70年以上たつが、国民の半数を占める女性が国会では今なお1割に満たない。地方議会の2割は女性議員がいない。いびつな構成の議会が国民、住民を代表しているといえるだろうか。現状を打開するには、制度や法律の思い切った後押しが必要だ。

 どんな国も最初から女性議員の比率が高かったわけではない。4割台のスウェーデンは1990年代から主要政党が自主的に男女交互の候補者リストを採用している。フランスは00年に候補者を男女同数とする「パリテ法」を定め、1割未満だった女性比率が10年には2割近くに増えた。県議会では男女一組で立候補する選挙制度も実施している。

 鍵は政治の意思と決断だ。その点で、気がかりなのは最大会派・自民党の及び腰である。

 党内では男女両方の議員から「法案は必要ない」との不要論が続出し、提出が会期末にずれ込んだ。背景に特権意識や、根強い性別役割分担意識があるのではないか。

 法案の中身も曖昧な点が多く、男女同数を目指す野党案との違いも分かりにくい。形だけのクオータ制にならないよう徹底的な審議が要る。

 一定数の女性議員が当たり前にいることで、家庭との両立が難しく、資金のかかる政治活動が変わっていく可能性がある。議会でセクハラやじが飛び交うこともなくなるだろう。政治に多様性と改革をもたらすクオータ制の意味は大きい。

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