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 北朝鮮が弾道ミサイル1発を日本海に向けて発射した。安倍晋三首相がトランプ米大統領とフロリダ州でゴルフを共にし、親密さをアピールした直後のタイミングだ。

 日米両国をけん制する意図があるのは間違いない。とりわけ、発足間もないトランプ政権の出方を探る狙いがあるのだろう。

 ミサイルは日本の排他的経済水域(EEZ)の外側に落下し、船舶などへの影響はなかった。とはいえ、今回は事前に発射の予告がなく、まかり間違えば公海上で被害を招く危険性はあった。

 北朝鮮は核・ミサイル開発を禁じる国連安全保障理事会決議を踏みにじる行為を重ねてきた。身勝手な振る舞いをいつまで続けるのか。

 安倍首相は滞在先の米フロリダ州で「断じて容認できない」と非難した。当然である。トランプ氏も日本への支持を表明した。

 隣国の韓国はもちろん、北朝鮮に大きな影響力を持つ中国も含め、国際社会が緊密に連携して包囲網を強めていかねばならない。

 ミサイルは北西部から東方向に発射され、約500キロ飛行した。北朝鮮は新型中長距離弾道ミサイル発射実験が成功したと発表した。

 北朝鮮は昨年、2度の核実験を行い、弾道ミサイルも20発以上発射した。ただ、トランプ米政権発足後のミサイル発射は初めてだ。

 今月初め、マティス米国防長官が日本と韓国を訪問した。その際、北朝鮮に対して「いかなる核兵器の使用にも効果的かつ圧倒的な対応を取る」と強く警告した。米軍は対抗策として迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の韓国配備を進める方針だ。来月には定例の米韓合同軍事演習も始まる。

 こうした米国の姿勢に「核大国」を掲げる金正恩(キムジョンウン)指導部が反発した可能性はある。国同士の対立がエスカレートしないよう、国際社会全体で対応を協議することが重要だ。

 国連安全保障理事会は緊急会合を開き、追加制裁などを検討する。北朝鮮の後ろ盾とされる中国は、常任理事国として地域の脅威となる行動の自制を粘り強く促すべきだ。

 トランプ政権にとって国際的な脅威にどう対処するか、力量が問われる事態といえる。「自国優先」ではなく他国との協調が何より重要であることを認識する必要がある。

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