社説

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 政府は一般の住宅を宿泊施設として活用する「民泊」のルールをまとめた新法案をまとめた。

 新法案では、これまで旅館やホテルの営業が認められていない住宅専用地域での営業が可能になる。

 最近は空き部屋を無許可で貸すケースが増え、騒音やゴミ問題などで周辺住民とトラブルも目立つ。トラブル防止のためには、一定のルールづくりは欠かせない。

 ただ、静かな住環境を求める住民や既存のホテル、旅館業界の懸念に十分に応えているか。与党内から異論が出て協議が続いている。国会でも慎重に議論する必要がある。

 新法案は、都道府県や政令市などへの届け出制とし、参入しやすくした。一方で、騒音防止に配慮するように宿泊者に説明したり、民泊と分かる標識を掲げたりすることを家主に義務付け、違反した場合は業務停止や事業廃止命令を出す。従わなければ懲役や罰金が科される。

 2016年の外国人旅行者は2400万人を超え、初めて2千万人を突破した。外国人客の急増で、東京や大阪などの都市部では宿泊施設の不足が慢性化している。政府は東京五輪が開かれる20年に年間4千万人とする目標を掲げており、受け入れ態勢の整備は急務だ。

 人口減少で増える空き家やマンションの活用、地方の経済活性化という点でも、民泊には可能性がある。

 とはいえ、テロなどの犯罪が多発している時代だけに、見知らぬ人が自由に出入りすることで周辺住民が治安悪化など安全面の不安を抱くのも当然だろう。

 新法案は、家主が同居しない民泊住宅は、国に登録した管理者を置くことになっている。家主や参入事業者は法令順守で安全を最優先するとともに、住民に丁寧に説明し理解を得なければならない。

 届け出を受ける自治体や政令都市の責任は大きい。無許可営業やトラブルなどを把握し、厳しく取り締まることが求められる。宿泊客に対し悪質なサービスがないかといったチェックも要る。

 民泊の広がりを懸念する旅館・ホテル業界と、積極的に進めたい不動産業界の利害が対立していた営業日数は、年間180日以内とされた。地域によっては自治体が条例でさらに制限することが可能だ。実情に応じ、柔軟に対応する必要がある。

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