社説

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 衆参両院や地方議会の選挙で候補者数の男女均等を目指す「政治分野における男女共同参画推進法案」が今国会で成立する見通しとなった。

 民進党など野党4党の法案が「男女同数」を目標に掲げる一方、与党案は男女の候補者数を「できる限り均等」にするとしていた。

 対立が続けば女性の政治参加が遠のきかねないとして、野党側が譲歩し、超党派の議員立法として提出されることになった。

 あらゆる分野で男女がともに意欲や能力を生かすことを目指す男女共同参画社会基本法の施行から、20年近くになる。しかし政治分野への女性の参画は進まず、国際的に見ても国会議員の女性の割合が193カ国中157位と見劣りがする。大きく遅れた女性の政治参加を前に進める一歩にしたい。

 法案は国や地方の選挙で候補者数をできる限り男女で均等となることを目指すものの、禁止規定や罰則がない理念法で政党への強制力はない。実効性が上がるか疑問も残る。各党は、女性候補の擁立に積極的に取り組まねばならない。

 国会の女性議員は2015年末で、衆院で9・5%、参院で15・7%となっている。戦後、女性が参政権を得て70年余が過ぎたが、衆院はいまだに1割に満たない。地方議会でも、総定数に占める女性議員の割合は12・1%にとどまる。

 法案が成立したとしても、女性議員を増やすことは容易ではない。議会は男性中心で運営され、性別による役割意識も根強い。育児や介護休業なども取りにくいとされ、子育て中の女性にはハードルが高い。

 北欧など女性議員が多い国では、政党が候補者の一定割合を女性に割り合てる「クオータ制」を採用したり、国が法律で候補者や議席の比率を導入したりしている。

 政府は「20年までに指導的立場の女性割合を30%にする」との目標を掲げ、女性活躍推進の旗を振る。女性の政治家を育てるために、教育訓練や議会の環境整備などで後押しすべきだ。

 「保育園落ちた」で注目を集めた保育所の待機児童問題や、長時間労働の是正などの重要課題がなかなか解決されない。政策決定の場に女性が少ないことも影響しているだろう。女性の参画で政策の優先順位を見直し、社会を変えていきたい。

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