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 石原慎太郎元東京都知事が、豊洲市場移転問題で記者会見を開いた。責任の所在を問われたが、「私一人の責任ではない。行政全体の責任だ」と回避するかのような発言に終始した。経緯をただす質問にも具体的には答えず、肩透かしだったと受け止めた人は多かっただろう。

 「首都の台所」築地市場(東京都中央区)の移転先が豊洲(江東区)に決まったのは2001年。「知事就任時は既定路線だった」とするが石原知事時代に計画が推進された。

 東京ガスの工場跡地だったため、有害物質によって汚染されていた土壌の改良などで費用が増大した。結局6千億円近い巨大プロジェクトに膨れ上がった。

 小池百合子氏が都知事に就任後、移転に「待った」をかけ、調査でさまざまな問題が明らかとなった。

 汚染対策として整備する方針だった盛り土がされていなかったこともその一つだ。都の検証では責任者を特定することはできなかったが、ほかにも豊洲市場を巡っては次々と疑問点が浮かび上がっている。

 なぜ、汚染された東京ガスの工場跡地を選んだのか。土壌改良の追加費用が都の負担となった経緯は。何より、これらを決定した判断の根拠と責任はどこにあるのか。

 会見では、疑問を解明するための質問が相次いだ。しかし石原氏は「最終的に裁可した責任はある」と言うものの、「部下に一任していた」「専門家が決めた」「議会も承認した」と繰り返すばかりだった。

 一方で石原氏は、専門家が豊洲市場は安全だと主張しているとして、移転を進めない小池知事を再三批判している。果たして、当時のトップとして責任がなかったと言えるのだろうか。

 都議会は当初、特別委員会で参考人招致をする方針だったが、地方自治法に基づく百条委員会に切り替え、証人喚問の実施を決定した。百条委は、虚偽の証言をすると禁錮や罰金が科せられるなど、強い権限を持つ。それだけに、議会には真相解明の期待がかかる。

 石原氏は以前「私の都知事在任中の件に端を発してこのような事態になっていることについて責任を痛感している」とコメントを発表している。ならば、20日に予定される百条委では、誠実に真実を語る責任があるはずだ。

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