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 自民党の総裁任期延長が決まった。党大会で、連続2期6年までを3期9年へと党則を改正した。安倍晋三首相の3選立候補が可能となり、当選すれば2021年9月まで任期が続くことになる。

 第1党の党首は、通常は首相となる。来年末までに実施される次期総選挙の結果次第だが、総裁選で3選されれば、19年8月に歴代政権で戦後最長の佐藤栄作首相、11月には最も長かった戦前の桂太郎首相を超える。異例の「超長期政権」となる。

 「安倍1強」と言われるが、政権が長く続くことには功罪がある。外交では首脳同士の信頼関係を培っていくことができ、発言力も増すのは「功」にあたる。

 一方で「罪」はどうか。安全保障関連法など、数の力で押し切る国会運営が目立っている。丁寧な説明や論議をせず、批判や異論を受け入れない姿勢は、「慢心」や「おごり」の表れと言えないか。

 「1強」体制は、党内の議論まで萎縮させているように映る。総裁任期の延長が、党務報告で簡単に触れただけで異論もなく承認されたことが証左と言える。

 次期総裁を巡り、「安倍首相の後は安倍首相だ」と語ったのは二階俊博幹事長だ。総裁候補とされる岸田文雄外相は「今は安倍内閣の閣僚として仕事に専念するだけだ」と意欲を表に出さない。石破茂元幹事長が「無投票では党内の意見を生かせない」とけん制するだけだった。

 小選挙区制となり、公認候補の選定や政党助成金の配分で総裁の力が増大した。だからといって「長いものには巻かれよ」とばかりに、物言わぬ状況がよいとは思えない。

 野党のふがいなさも「1強」に拍車を掛ける。民主党時代の政権運営のつたなさが尾を引き、内閣支持率の高止まりの一因ともされる。

 安倍首相は憲法改正を視野に入れる。大会で採択した運動方針には「改憲原案の発議に向けて具体的な歩みを進める」と明記した。衆参の憲法調査会で論議されるが、どの条文をどのように変えたいのか、まず見解を明示した上で、腰を据えた慎重な議論をすべきだ。

 「緊張感を忘れずに、謙虚に、力強く挑戦し続ける」。安倍首相の大会演説である。森友学園問題など、国会での論戦は続くが、自身の言葉通りの謙虚な対応を求めたい。

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