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 この“隣人”はいつまで他国を脅し続けるのか。

 北朝鮮が弾道ミサイル4発を日本海に向けて発射した。うち3発は日本の排他的経済水域(EEZ)内に、残る1発はEEZ付近に落下した。船舶や航空機への影響は確認されていないが、一歩間違えれば被害が出たかもしれない。極めて危険な行為で、許されるものではない。

 北朝鮮は昨年以降、2度の核実験を断行し、20発以上の弾道ミサイルを発射している。2月12日にも1発を日本海に向けて発射したばかりだった。いずれも国連安全保障理事会決議を無視した行為であり、国際社会を挑発する振る舞いである。

 世界中から非難の声が高まる中、核実験やミサイル発射の頻度は増えている。安倍晋三首相が、今回のミサイル発射を「北朝鮮が新たな脅威になったと明確に示すものだ」と述べたのもうなずける。

 気になるのが北朝鮮の軍事技術の進展だ。日本政府筋は今回、大陸間弾道ミサイル(ICBM)技術を試した可能性もあるとみて分析を進めていることを明らかにした。

 これについて韓国軍は否定的な見解を示しているが、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が1月、ICBMの発射実験準備が「最終段階」に入ったことを表明している。仮にICBMが関係していたとすると、脅威は確実に増す。

 折しも北朝鮮は金正男(ジョンナム)氏殺害事件をめぐり、組織的な関与が疑われて窮地に陥っている。事件を捜査するマレーシアとの関係悪化が決定的になるなど孤立を深めている。

 「後ろ盾」とされる中国による制止も聞かず、身勝手さが目につく。北朝鮮に自制を促すため、日本に米国、韓国、中国なども含めた国際社会が、北朝鮮に圧力をかけ続けなくてはならない。

 今回のミサイル発射の背景には、1日から米韓両軍が始めた合同野外機動訓練への反発があることは間違いない。トランプ米新政権をけん制する狙いもあるとみられる。金正男氏殺害事件から世界の目をそらそうとしている可能性も指摘される。

 ただ、国際社会に背を向ける隣国を孤立させるだけでは、日本にとっても得策ではない。暴発を防ぐためには、各国が連携して北朝鮮を話し合いのテーブルに着かせる努力を粘り強く重ねる必要がある。

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