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 韓国の憲法裁判所が、国会が弾劾訴追した朴槿恵(パククネ)大統領の罷免を決定した。親友に機密資料を提供して国政介入を許したことなどを「重大な違法行為」と認定した。

 韓国大統領の罷免は1948年の建国以来初めてとなる。朴氏は即時失職し、不起訴特権を失って逮捕、起訴される可能性がある。

 一方で各政党は次期大統領選に向けて動きだした。憲法裁周辺では罷免賛成派と反対派が集会を開き、一部が機動隊と衝突、死者が出るなど混乱が広がった。

 国内の対立は深まり、韓国社会は深く傷ついたといえる。憲法裁は「決定が国論分裂の終息の契機となることを期待する」とも述べた。国民全体で司法の言葉を重く受け止め、再出発してほしい。

 国政介入疑惑は昨年秋から拡大し、朴氏の即刻退陣を求める大規模集会が繰り返された。世論調査では罷免が圧倒的に支持され、国民の怒りや失望の大きさを示している。

 弾劾訴追が棄却されれば、国内がさらに混迷する恐れがあった。そうした状況が判断に影響を及ぼしたとみることもできる。

 憲法裁は裁判官8人全員が罷免に賛成した。決定理由として、大統領権限を乱用し、親友が私的な利益を得るのを手伝ったと断じた。朴氏が検察や特別検察官の捜査に対し、事情聴取や大統領府の家宅捜索などに応じなかったことも批判した。

 弾劾審判は今年1月3日に第1回弁論があり、2月27日に結審した。この間、朴氏は一度も出廷しなかった。「憲法を守る意志がなかった」と憲法裁に指摘された。朴氏は法廷で自ら語るべきだった。

 アジア太平洋地域では、北朝鮮が国連安全保障理事会決議に違反して核・ミサイル開発を進めている。国会が弾劾訴追案を可決し、朴氏が職務停止に追い込まれた昨年末から続く政治空白の影響は大きい。

 慰安婦問題をめぐる日韓合意に対して見直しを求める声が高まっているのも気掛かりだ。「最終的かつ不可逆的解決」として双方が折り合ったことを忘れてはならない。

 出直し大統領選は5月上旬の投開票が有力視されている。新しいリーダーには分断した韓国社会を再び一つにする姿勢が求められる。同時に国際間の信義も重視して韓国政治の立て直しに努めてもらいたい。

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