社説

  • 印刷

 渦中の理事長が退任の意向を表明したものの、疑惑は一向に解明されない。もどかしさが募るばかりだ。

 大阪市の学校法人「森友学園」の籠池泰典理事長が会見を開き、大阪府豊中市の旧国有地に小学校を建設する計画について、府への認可申請を取り下げるとともに、自らの理事長退任の意向を明らかにした。

 申請を取り下げるまでもなく、府は近く不認可を決定する見通しだった。学園側の申請書類に、虚偽と言わざるを得ない点がいくつも見つかったからだ。中でも悪質なのは、金額が異なる3通の契約書を作成し、使い分けていたことである。

 大阪府には最も低い7億5600万円の契約書を提出する一方、国には約3倍の23億8464万円を示していた。設置認可を判断する府には財務状況をよく見せ、国からは高額契約書で多くの補助金を引き出そうとしたのではないか-。

 そうみた府は、籠池氏らを私文書偽造などの容疑で刑事告発することを検討している。当然だろう。申請を取り下げたからといってうやむやにしてはならない。司直の手で徹底解明する必要がある。

 そもそも国有地がなぜ8億円も値引きされたのか、いまだに納得のいく説明はどこからも聞こえない。にもかかわらず、理事長らの国会への参考人招致について、与党は「違法性がない」などとして拒否し続けている。3通の契約書作成はどう見ても違法な行為だろう。

 税金がだまし取られたのかもしれないのに、与党は何をためらっているのか。何か隠しているのか、やはり政治家が関与しているのかと勘ぐられても仕方がない。

 ここにきて稲田朋美防衛相と森友学園の深い関係も浮上した。代理人弁護士を務め、個人献金を受けていたことが明らかになった。籠池氏は関係を認めているが、防衛相は「記憶にない」「関係は絶っている」と苦しい釈明に終始している。

 世論調査では籠池氏の国会招致への支持が7割を超し、安倍晋三首相の説明に対し6割近くが「納得できない」と答えている。

 「不正はなかった」「法的に適正に処理した」。そんな木で鼻をくくったような答弁ではもうすまされない。籠池氏はもちろん、当時の財務省、国土交通省の関係者を国会に招致し、しっかり問いただすべきだ。

社説の最新
もっと見る

天気(8月17日)

  • 32℃
  • ---℃
  • 40%

  • 33℃
  • ---℃
  • 70%

  • 32℃
  • ---℃
  • 30%

  • 34℃
  • ---℃
  • 40%

お知らせ