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 3月末で結党1年を迎える民進党が、蓮舫代表となって初の党大会を開いた。蓮舫氏は「政権交代を実現したい」と結束を呼び掛けたが、その訴えが国民に届いたとは言い難い。自民党への明確な対立軸をはっきり示せなかったためだ。

 蓮舫氏は当初、党目標である「2030年代原発ゼロ」の時期を「30年」と前倒しする方針だった。自由党の小沢一郎共同代表との会談でも、「引かない。ぶれずにやる」と強い決意を伝えたという。次期衆院選に向け、原発再稼働を進める安倍政権との違いを出す狙いがあった。

 ところが、支持組織の連合の反発を受け、電力総連からは選挙の支援をしない可能性をちらつかされるなど逆風にさらされた。結局、党大会では年限の明示を見送ることになり、「ぶれない」とした決意は腰砕けになった印象だ。

 党大会では、「原発ゼロ」目標の前倒しに向け、基本法案を作成する方針を表明したが、中身や提出時期は明らかにしなかった。共産党などとの共闘にも触れず、蓮舫氏の指導力が問われる結果となった。

 小泉純一郎元首相は、次期衆院選で野党が候補を一本化し、原発ゼロを争点にすれば、自民党は敗北すると発言している。「郵政選挙」などで争点を明確にして圧勝した小泉氏は「民進党は最大の争点が原発だと分かっていない」と手厳しい。

 実際、昨年10月の新潟県知事選では、再稼働に慎重な候補が与党系候補を破った。

 一方、共同通信社の直近の世論調査では、民進党の支持率は9・4%と低迷し、自民党の43・8%に大きな差をつけられたままだ。

 旧民主党政権時代は、つたない政権運営や足の引っ張り合いなどもあって、国民の支持を失った。今も旧維新の党グループが分裂するなど、ごたごたは続く。

 7月には東京都議選が控える。小池百合子都知事の旋風に巻き込まれ、苦戦が予想されている。現職の都議が離党届を出すなど「離党ドミノ」に歯止めがかからない状況だ。

 「将来の不安を取り除けるような新しいモデルを示してこそ、アベノミクスへの対立軸たり得るのではないか」。党大会での来賓あいさつの言葉である。政権交代可能な二大政党の一翼を担う気概があるならば、この言葉をかみしめるべきだ。

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