社説

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 神戸・新開地に計画されている上方落語の常設寄席「神戸繁昌亭(はんじょうてい)」(仮称)が開業に向けて動きだした。大阪市北区の天満天神繁昌亭に続く第2の常設寄席となる。まちづくりの新たな核として期待したい。

 事業を担う地元のNPO法人「新開地まちづくりNPO」の高四代(たかよんだい)理事長や落語家を派遣する上方落語協会の桂文枝会長らが、施設の概要などを発表した。今年6月にも着工、来年7月ごろのオープンを目指す。入り口に朱色の櫓(やぐら)がある外観イメージ図も公表された。

 新開地はかつて「東の浅草、西の新開地」と呼ばれ、映画館や演芸場などが並び、大衆娯楽の街として栄えた。しかし、戦後になるとそうした施設が次々と姿を消し、唯一の演芸場「神戸松竹座」も1976年に閉鎖した。

 新開地の衰退を受けて、商店主らがにぎわいを取り戻そうと、映画祭や音楽祭、寄席、女性限定の下町ツアーなどのイベントを開催してきた。そこに文枝会長が2014年、「神戸近辺に新しい常設寄席を」と表明し、地元住民が土地情報を提供したことから動き始めた。

 その後、NPO法人と兵庫県、神戸市が構想推進で合意した。落語協会も昨年10月に協会員の落語家らによる投票で推進を決めた。

 総事業費は約2億円。兵庫県と神戸市が5千万円ずつを助成し、残りは国の補助金を活用するという。

 大阪の繁昌亭(216席)とほぼ同規模の約200席を予定し、原則毎日上演する。ただ、大阪の繁昌亭は落語協会が直営しているのに対し、神戸ではNPO法人が運営し、赤字が出た場合は負担する。

 それだけに集客が鍵になる。魅力的なプログラムを打ち出すことが重要だ。出演者も含めた関係者が手を携え、さまざまなアイデアを持ち寄って集客に工夫を凝らしたい。落語家自身も精進を重ね、落語の面白さを広げる必要がある。

 施設の名称は公募で決めることになった。みんなでつくるという姿勢で応援団となり、市民や落語ファンらがPRに努めたい。

 寄席を楽しんだ人が新開地のまちを歩き、新開地に来た人が寄席に入る-。高理事長は「新開地からスターが出てほしい」と話す。地元が目指す「地域に根差した文化・芸術復興」の起爆剤となればいい。

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