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 北朝鮮を巡る軍事的な緊張が日増しに高まっている。

 米国が原子力空母カール・ビンソンを朝鮮半島近海に向かわせる中、北朝鮮が弾道ミサイルを1発発射した。直後に爆発し失敗したとみられるが、米国への対決姿勢を改めて示した。

 軍事力行使を含む「全ての選択肢」を掲げる米国を、北朝鮮は「核戦争には核攻撃戦で対抗する」と威嚇する。示威行為のエスカレートが武力衝突につながりかねない危険な状況だ。

 北朝鮮は、在日米軍基地もミサイル攻撃の対象と明言する。いったん戦闘が始まれば、戦火は日本を含む東アジアに拡大する恐れがある。そうした事態は避けねばならない。

 金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は、「強い指導者像」を示すため挑発行動を続けている。支持率が低迷するトランプ米大統領も、強硬姿勢を掲げて人気の回復を図る。引くに引けないにらみ合いが軍事的なリスクを高めている。いま必要なのはブレーキをかける国際社会の努力だ。

 韓国では、大統領選の有力候補らが先制攻撃を示唆する米国に自制を求める考えを示した。直接脅威にさらされる立場を考えれば当然だろう。

 安倍晋三首相は「トランプ氏の強い関与を高く評価する」と米国を支持している。政府は北朝鮮有事を想定した対応の検討を急ぐが、その前に軍事行動を抑制する冷静な対応をトランプ氏に強く促すべきである。

 北朝鮮が6回目となる核実験を実行すれば、米国は強硬策に踏み切る可能性がある。シリアへのミサイル攻撃や、核兵器に次ぐ破壊力がある大規模爆風爆弾のアフガニスタンでの使用は、その決意を内外に示す狙いがあったとみられる。

 米国は、ミサイル発射実験と核開発に踏み出した北朝鮮に対し、23年前に核施設攻撃を検討したことがある。しかし、最初の3カ月で米韓両軍に54万人の死傷者が出るとの試算結果が出て回避された。現状では、日本も含めてさらに甚大な被害が発生するのは間違いない。

 安倍首相はきのうの国会で「対話と圧力」による解決の必要性を強調した。その言葉通り、危機回避に向けた外交努力に全力を挙げるべきである。

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